2016年12月13日

GDR-88『Silver Shadow』

前回「邪道 JDR-B610L-S 『月人 -GETTO- 』」の作製依頼をしてきたSRIさんが、次なる依頼を持ってきた。

その前に、廃番となった依頼品があったが・・・それは未公開と言う事で、今回の依頼に繋がったw

そして、持ってきた依頼の内容が、かなり特殊な依頼だった・・・

その内容は、前々からSRIさんが言っていたけど・・・まさか実現させる依頼品を持ってくるとはwww

その依頼品とは・・・
161101_001.jpg
161101_002.jpg
この3本のブランク!?

ぬお!?(-_-)!!
これは・・・もしかして・・・実現させるの!?
話は、前に聞いていたから、すぐにイメージは出来たが・・・

SRIさんが持ち込んだブランクの正体とは・・・
DAIWA_銀影エアトルク3-90SX.jpg
ダイワ 銀影エアトルク 3-90SX

要するに、元ブランクになる物は、アユ用の振り出し延べ竿の一部だった。
このブランクで何が作りたいかと言うと・・・
「延べ竿のようなルアーロッド」
「違和感なく食い込ませ、気づいた時には食っているロッド」
それが、今回の依頼のコンセプト!!
そして、こだわりたい部分がいくつか・・・
1.グリップ周りはごっつく・・・
2.ティップはカーボンソリッドで、白・・・いやオレンジで!!
3.今回は邪道じゃないよ!オリジナルなので我道で!!
この要点を押さえて、後はお任せ〜と言う事らしいw

こういった、訳の解らない、今までやった事のない正解も不正解も解らないような『試み』は大好きだ(笑)
そして、「とりあえずやってみよう!」という精神が好きだw
と言う事で、快く依頼を受諾した!

メインターゲットは「メバル」と言うことらしく、対象リグは「5〜20gのフロートリグなどを流れに乗せて使いたい!」らしい!
そんな釣りをイメージした事が無いので、私なりにイメージすると、フカセ釣りなどの磯竿1号などでグレを狙うような感じで、ルアーをキャストすると言うより、放る・・・と言ったイメージだろうか?
竿全体を撓らせて、軽く投げる感じで・・・
流れの中にフロートを食いこませ、ゆっくりと流しながら当たりがあったら、スィープなフッキングで合わせる!

全体が曲がる竿・・・
だいたい、このブランクって、アユ用だけどアユ用のブランクって、釣り竿の中でも格段に軽いブランクだったよな・・・と、持ち込まれたブランクの重量を量ってみる。
161101_003.jpg
19.70g
9フィート以上あるこの長さで、20gを切るの???
ブランクの肉厚を量ってみると、0.5mmしかない・・・
もともと延べ竿なので、全体で撓らせて使う竿だから薄くても極端に負荷が掛からなければ折れない。
それ以前に9mとかある長い竿が重たいと振り回せない事から、技術が進化し、どんどん軽くなっていった。
そんな極薄のブランクに、ガイドやグリップを付けて折れないのだろうか??
一番怖いのは、ガイドの足が食い込む事。
そして、印籠継ぎをした部分や、グリップの付け根などの、負荷が掛かりやすい所からの破断・・・
今回は補強が重要になりそうだ。

まずは、長すぎるブランクをカットして、全体の長さを決め、持ち運べるように継ぎ部分を作製しなくてはならない。
長さの希望は、8フィート3インチ程度らしい。
ティップにカーボンソリッドを使用して食い込みの良いティップが希望との事。

と言う事で、振り出し部分を1個外し、その部分を印籠継ぎにするため、印籠継ぎの芯をSGOさんからもらったバスロッドの端材で作製する。
161101_004.jpg
内径の違いから、段差を設け、どちらの差し込みにも綺麗に当たるように削り込んだ。
161101_005.jpg
差し込みは、お互いに45mmずつ差し込んでみた。
161101_006.jpg
161101_007.jpg
161101_008.jpg
今まで作ってきたロッドなら、印籠の芯部分の中に2重か3重に補強材を入れるのだが、今回はブランクが柔らかいため、印籠部分だけが硬くなるのが怖く、補強の中身は無しで行く事にした。
それでも印籠の芯は0.8mmもある。
これなら曲がりつつ、耐えてくれるのではないだろうか??

つぎは、カーボンソリッドティップの削り出し!
ここ最近は、オリジナルテーパーのカーボンソリッドティップを削るのが楽しく、自分用のアジングロッド「GDR−61SSR『紫電』」で採用し、折れては作り、折れては作り・・・と数本削ってきた経験を生かし、SRIさん依頼の今回のロッドも、オリジナル30tカーボンソリッドティップを採用することにした。
ティップの元は、マグナムクラフトから購入した30tカーボンのティップをカットし、削り込んで細くした物を使う。
161101_009.jpg
曲げたい部分を少し細く、曲げたくない部分を太く・・・と言ってもテーパーにはなるように削り込む。
161101_010.jpg
161101_011.jpg
161101_012.jpg
161101_013.jpg
ティップカラーは、オレンジが希望と言う事で、何回かトライして、綺麗なオレンジにカラーリング出来た!

重要なところは、ここから・・・
ティップをブランクに差し込むところのブランク内径は、ギリギリまで太くして1.1mm(紫電は0.9mmでトライしたがw)なので、この繋ぎ部分で折れるのが怖い。
と言う事で、紫電で何種類か試した補強方法の最終版を、今回も採用!
161101_014.jpg
カーボンブレードホースと言う、カーボンファイバーで編まれたパイプ状のカーボンを被せ、ケプラースレッド(アラミド繊維)でグルグル巻きにして、レジンで固定する方法を採用。
161101_015.jpg
カーボンブレードホースを被せ、ケプラースレッドでグルグル巻きにする。
161101_016.jpg
161101_017.jpg
余分なカーボン繊維は切り取る。
161101_018.jpg
レジンを染み込ませる。
161101_019.jpg
ビニールテープで圧力をかけるように巻きつける。
(ホントにこんなので良いのかな?思い付きでやっているので、悪しからずw)
161101_020.jpg
レジンが硬化したら、ビニールテープを取り、サンドペーパー等で均して完成!



次に心配な部分は、ロッドのバット部とグリップ部分の付け根・・・
元ブランクが、アユ竿の先端部分から使用しているため、今回のグリップの位置になる部分の本来は、またティップからベリー部分と言う事になり、バットとして補強してある訳でもないため、グリップを付けても曲がりこむことが予想できる。
と言う事で、これは初めての試みで、バット部分の補強をやってみる事にした。
先ほどティップ部分でも使ったカーボンブレードホースの太い物も購入し、バット部に使用してみる事にした。
161101_021.jpg
161101_022.jpg
バット部は、ケプラースレッドは巻かず、カーボン柄が出るようにデザインも含めて補強していく。
カーボンブレードホースを被せ、エポキシコーティングで全体をコーティングする。



これで、ブランクが完成!!
あとは、注文を受けたグリップデザインを表現していく!
161101_049.jpg
161101_050.jpg
161101_051.jpg

細かい修正部分をSRIさんと打ち合わせしながら、「GO」サインが出たのでグリップ部分を接着する。
161101_023.jpg
161101_024.jpg
161101_052.jpg
161101_053.jpg

グリップ部の接着が固まったら・・・次は、ガイドセッティング!
ブランクに直接ガイドを付けると、足が食い込む可能性がある為、ガイドセッティングの時も、マスキングテープで補強してガイドを仮止めして曲がり方を見ていく。
元々曲がるブランクなので、綺麗な弧を描いて曲がるため、ガイド位置も素直に曲がる部分に付けていくと大体の位置が出た!
161101_026.jpg
161101_025.jpg
161101_027.jpg
SRIさんに、ガイドセッティングを確認してもらい、OKが出たので、ガイドにスレッドを巻いていく。

161101_028.jpg
161101_029.jpg
161101_030.jpg
ガイドのスレッドは、シルバーを一層巻いてブランクに直接ガイドが当たる事を防ぎ、その上にガイドを置きブラックで固定し、サイドにシルバーが見えるようにデザインして、ダブルラッピングを行う事にした。
長めにスレッドを巻き、ダブルラッピングの段差を付ける事で、ブランクに急激な負荷をかけないように力を分散させる狙いもある。
(狙いがうまくいくかは、実際に使ってみないと解らないがw)

ここまで出来たら、後は仕上げの段階になり、コーティングしていく!
時期も11月末になり寒くなったのでエポキシコーティングが硬化不良を起こす時期になってきた。
そこで役立つのが「簡易乾燥炉」!
161101_031.jpg
乾燥炉に入れて、くるくる〜っと一晩回すと1回目のコーティング終了!
次の夜に2回目のコーティング!
私は2〜3回コーティングして完成としている。

完成したロッドがこれだ!!
161101_032.jpg
161101_033.jpg
161101_034.jpg
161101_035.jpg
161101_036.jpg
161101_037.jpg
161101_038.jpg
161101_039.jpg
161101_040.jpg
161101_041.jpg
印籠継ぎの#1側の補強として、飾り巻きを入れてみたが・・・これは失敗だった・・・
飾り巻きは、まだまだ経験不足で綺麗に巻けない・・・またどこかで試してみよう(^^;
161101_042.jpg
161101_043.jpg
161101_044.jpg
161101_045.jpg
161101_046.jpg
161101_047.jpg
161101_048.jpg

■ベンドカーブ
GDR-88_SilverShadow_bendingcurve.jpg

■銘命
『Silver Shadow』(シルバーシャドー)

■スペック
我道 Silver Shadow
型番:GDR-88
全長:2640mm / 8feet8inch
重量:83.08g
ルアーウエイト:1.0g〜未知数(テスト中)
適合ライン(PE):0.2〜0.5号
Custom Built by THE FORCE JAPAN
posted by TFJ at 07:22| 広島 ☁| Comment(0) |  └ ロッドビルド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。